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卵子凍結のこれまでの歴史について

卵子凍結のこれまで

最近よく耳にする機会が増えた卵子凍結。みなさんはその歴史についてご存知ですか?

卵子凍結は30年以上の歴史がありますが、技術の進歩により発明当時に比べて成功率が向上するなど、研究が続けられている分野でもあるのです。

ここでは、卵子凍結のこれまでの歴史についてご紹介します。

凍結技術の進歩

世界の歴史をさかのぼると、1983年に初めてのヒト凍結融解受精卵(胚)が用いられ、1986 年にヒト凍結融解未受精卵を用いた妊娠・出産の成功例が報告されました。

日本においては、2014年に12年間凍結していた未受精卵を用いて妊娠・出産した白血病患者の例が発表されました。(*1)

凍結方法は「緩慢凍結法」と「ガラス化法」に大別されます。凍結方法は、1983年ヒトの胚で初めて成功した「緩慢凍結法」から、1990年代に入り臨床応用での成功例が報告されるようになった「ガラス化法」に変遷し、現在は「ガラス化法」が主流となっています。(*2)

緩慢凍結法では受精卵(胚)の凍結保存において日常的に用いられてきましたが、未受精卵に対しての課題が多く、凍結保存が困難な状況が続いていました。 

ガラス化法も当初は課題があり、発明されたあとも研究が続けられました。しかし近年、冷却と加温の改善に成功し、未受精卵を凍結保存・融解したあとの生存率が非常に高く保たれ、さらに顕微授精の受精率も90 %と、非凍結卵子の成績と比べても劣らない結果となりました。(*3)

まとめ

お伝えしたように、長年の研究により卵子凍結保存の技術は昔に比べてはるかに進化しており、いつか子どもを持ちたいと願う女性たちに1つの選択肢として普及するまでになりました。

今すぐは妊娠できないけど、未来のために検討してみるのも良いかもしれませんね。

参考文献

*1…がん生殖医療配偶子、奈良県立医科大学産婦人科学講座、木村文則、日本周産期・新生児医学会雑誌 第58巻 第4号 P666-668(2023)

*2…Vitrification法による胚の凍結保存、元石 睦郎、小林 眞一郎、Koba レディースクリニック、J. Mamm. Ova Res. Vol.24, 65-66, 2007

*3…ヒト卵子の凍結保存 ー ヒト卵子バンクの実際 一 桑山 正成、加藤レディスクリニック 先端生殖医学研究所、麻布大学雑誌 第9・10巻 2004年

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