ここでは、不妊対策としての卵子凍結についてお話しします。
「いつか子どもが欲しい」と思っている方は、これからお伝えする不妊に関するデータを参考にしながら、卵子凍結について考えてみてください。
厚生労働省の2021年のデータによると、不妊を心配したことがある夫婦は39.2%とされていて、その割合は夫婦全体の約2.6組に1組にあたります。
また、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は22.7%で、これは夫婦全体の約4.4組に1組の割合になるのです。(*1)
(厚生労働省 不妊治療と仕事との両立サポートハンドブックより)
「今すぐ子どもが欲しい」と思わない人の多くは、仕事でのキャリアや趣味など、他に優先したいことがある人かと思います。
しかし実際のところ、自然に妊娠できる確率の平均が20%〜30%とされるデータ(*2)もあり、不妊で悩む人も多いことから、将来自分が子どもを欲しいと思うタイミングで妊娠できるというのは、奇跡とも言えるのです。
年齢が若いほうが妊娠しやすい、ということはあらゆる研究結果で明らかにされています。
年齢が若いということは、すなわち卵子が若いということ。
卵子は年齢に比例して、数の減少や質の低下などの変化が起こります。そしてこれは自然現象なので、止めることはできません。
しかし、卵子を凍結して保管することで卵子の変化を一時的に止めることができるため、妊娠に繋がる可能性が高い卵子を妊娠したいタイミングまでとっておけるというメリットがあり、将来不妊になるリスクを抑えることができるとも考えられるのです。
不妊に悩む夫婦は意外と多く、子どもが欲しいタイミングでなかなか妊娠できないということもめずらしいことではないということが分かりました。
いつか子どもがほしいと思っている方は、選択肢の一つとして、卵子凍結について考えてみるのも良いかもしれませんね。
※参考文献
*1…厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」令和2年3月(令和6年2月参照)
*2…M.Sara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Edition