卵子凍結について気になっているけど、副作用などのリスクに不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、採卵前〜採卵時に起こる可能性がある副作用についてお話しします。
排卵誘発剤は、採卵の際にできるだけ多くの卵子を採るために使用されることが多い薬剤です。短期間にできるだけ多くの卵子を育てる作用がある一方で、刺激が過剰になりすぎると、お腹や胸に水が溜まる「卵巣過剰刺激症候群」という症状が起こる可能性があります。(*1)
採卵は卵巣に針を刺して行います。その際に出血や感染症のリスクがあります。
出血はわずかであることが多いですが、まれに輸血が必要になる場合や、卵巣に近い膀胱や腸などが傷ついたときは外科的手術が必要になる場合もあります。(*2)
採卵時の痛みを和らげるために使用することが多い麻酔ですが、まれに「アナフィラキシー」という強い副作用が出る場合があります。頻度は非常に少ないものの、特に重篤な場合、吐き気や呼吸困難、血圧低下などの症状が起こることもあります。(*3)
ここでお伝えした副作用はすべての方に起こるわけではありませんが、卵子凍結を検討している方は、このようなことが起こる可能性もあるということを理解したうえで行うようにしましょう。
※参考文献
*1…厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」(2011年3月)
*2…一般社団法人日本受精着床学会「生殖補助医療技術ARTって何?」(Q14. ARTの副作用を教えてください)
*3…光畑裕正. 局所麻酔薬のアナフィラキシー. 日本ペインクリニック学会誌Vol.21 No.1, 2014. p2-9.