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無排卵でも生理がくる理由とは?症状・原因・治療法を解説

無排卵でも生理がくる理由とは?症状・原因・治療法を解説

毎月生理がきているのに、なかなか妊娠に至らない、周期が不安定…そんなとき、実は排卵が起きていない「無排卵」の可能性があります。無排卵でも生理のような出血は起こるため、見た目だけでは判断できません。この記事では、無排卵で出血が起こる仕組みや原因、病院で調べられる検査や治療法を分かりやすく解説します。

無排卵とは?

無排卵とは、卵子が排出されない状態です。排卵がないとプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されず、月経周期や出血量が不安定になりやすくなります(*1)。

無排卵でも出血が起こる仕組み

無排卵の場合でも、エストロゲン(卵胞ホルモン)により子宮内膜が厚くなります。次第に厚さが増し、剥がれ落ちることで出血します。これが「無排卵性出血」です。

無排卵性出血の特徴

  • 周期がバラバラで安定しない
  • 出血量が一定でない
  • 排卵時の変化(おりものや基礎体温)が乏しい

無排卵を引き起こす主な原因

  • PCOS(多嚢胞性卵巣症候群):PCOSは月経周期異常(無月経、希発月経、無排卵周期症)があることが判断基準の一つとされています(*2)
  • 高プロラクチン血症:排卵障害のため月経異常(無排卵月経や無月経)や不妊を招くとされています(*3)
  • 甲状腺機能異常:顕性甲状腺機能低下症は黄体機能不全や排卵障害、稀発月経を引き起こすとされています(*4)
  • やせすぎや過度な運動などの身体的・精神的ストレス:脳のホルモン指令が弱まり、卵巣がうまく働かなくなるため、無排卵や無月経になるとされています(*5)

無排卵を放置するとどうなる?

無排卵が続くと妊娠しにくくなるだけでなく、プロゲステロンが分泌されないことにより内膜が厚くなりすぎる「内膜増殖症」を引き起こす可能性があります。この内膜増殖症は、子宮体癌の原因とも言われているため(*6)、放置せずに治療することが大切です。

検査と治療

病院では、主に以下の方法で原因を検査します(*1)。

  • ホルモン血液検査
  • 経膣超音波

治療は、原因に応じて選択されます(*1)。

  • 薬物治療
  • 生活習慣の改善(体重管理、ストレス対策など)
  • 妊娠を希望する場合は排卵誘発剤の服用

まとめ

無排卵でも生理のような出血は起こります。出血があるからといって毎月排卵しているとは限らず、周期の乱れ・出血量のばらつき・排卵のサインが乏しい場合は注意が必要です。

無排卵は治療可能なことが多いため、症状が続く場合は早めに婦人科で相談することが大切です。

参考文献

*1…StatPearls. Anovulatory Bleeding. (2023)

*2…多囊胞性卵巣症候群の診断基準(日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会, 2024)

*3…くすりについてのQ&A 26. 乳汁分泌・無月経 (高プロラクチン血症)を起こす薬剤 福岡県薬剤師会(2008)

*4…公益社団法人 日本産婦人科医会 > 研修ノート No112 基本から学ぶ不妊治療  >(4)甲状腺機能と妊娠

*5…シンポジウム:女性のライフステージと心身症 月経からみた女性のストレス疾患 第54 回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜)甲村弘子(2013)

*6…子宮体癌、卵巣癌予防~最近の話題 佐藤美紀子 日大医誌 80 (4):167–171 (2021)

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