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不妊治療に欠かせないHMG注射とは?

不妊治療に欠かせないHMG注射とは?

HMG注射は、不妊治療において卵胞の発育促進や排卵誘発剤として活用されています。この記事では、HMG注射の基本、効果、使用方法、副作用について解説します。

HMG注射の基本

HMG(ヒト閉経後ゴナドトロピン)は、下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)を含む薬剤です。卵巣を刺激してホルモンの分泌を促します。

HMG注射の作用

  • 卵巣を刺激し、卵胞の成長と成熟を促進
  • 下垂体無月経や多嚢胞性卵巣による無月経の方への排卵誘発

使用方法

  • 月経開始後3〜5日目から投与を開始
  • 筋肉注射の場合、医師または看護師による注射が基本(皮下注射の場合は自己注射の場合もあり)
  • 超音波検査や血液検査で卵胞の成長を確認しながら投与量を調整
  • 1日1回、一定期間の連続投与が一般的

効果

  • 排卵障害のある女性の90%で排卵が誘発される(*1)
  • 6ヶ月以内に60-80%の女性が妊娠に成功(*1)

副作用と注意点

  1. 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
    • 発現確率は5%程度で、重症例においては血栓症・肺水腫などによる死亡例もみられる(*2)
    • 症状:腹部膨満、体重増加、吐き気など
  2. 多胎妊娠のリスク
    • 17.2%の確率で多胎妊娠が発生(*3)
    • そのうち、双胎(双子)が82.9%、三胎(三つ子)が14.6%、四胎(四つ子)が2.4%と報告されている(*3)
  3. その他の副作用
    • 注射部位の腫れや痛み
    • 吐き気や下腹部の不快感
    • 胸の張りや倦怠感

まとめ

HMG注射は不妊治療において効果的な選択肢の一つです。

上記でお伝えしたように副作用のリスクもありますが、医師の指導のもと適切に使用することで、多くのカップルに希望をもたらす治療法です。

「不妊」と言ってもその原因は様々なものがあります。もし悩んでいる方がいたら、まずは専門医に相談し、しっかりと検査をした上で自分に合った治療法を見つけることから始めしょう。

参考文献

*1…Fertility Center of Oregon – Gonadotropins (HMG & FSH)

*2…重篤副作用疾患別対応マニュアル 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

*3…日産婦生殖内分泌委員会報告:本邦におけるゴナドトロピン療法により成立した多胎妊娠に関する全国調査結果報告. 日産婦誌、47:1298-1303、1995.

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