卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、卵子凍結や体外受精などの不妊治療で行う「採卵」によって起こることがある合併症です。
卵巣が膨れ、お腹や胸に水が溜まるなどの症状があらわれます。重症化すると、入院し、点滴治療が必要になることもあるため注意が必要です。
今回は、OHSSの予防や対策について、最新の情報をお伝えします。
OHSSになりやすい人には、以下のような特徴があります。(*1)
最近では、AIを使って個人ごとのOHSSリスクを予測する研究も進んでいます。将来的には、より正確にリスクを把握できるようになるかもしれません。(*2)
以下の方法は、OHSSを予防するために有効であるとされています。(*1)
体質に合わせて薬の種類や量を調整することで、卵胞の過剰成長を防ぎます。
生殖補助医療においては、新鮮胚移植(胚を凍結させず採卵周期に移植する方法)はOHSSのリスクが高まるとされています。
OHSSになると、身体的な苦痛だけでなく、精神的なストレスも感じることがあります。以下のようなケアを心がけることが大切です。
お腹が膨らむ、体重が急に増える、吐き気や嘔吐などの症状が出たら、すぐに病院に相談しましょう。
OHSSについて、実施前に医師から詳しい説明を受けることで、必要に応じて仕事など予定の調整ができるだけでなく、不安も軽減できるでしょう。
OHSSを予防するための新しい方法も研究されています。(*3)
メトホルミンやアスピリンなどの薬が、OHSSのリスクを下げる可能性があるほか、体外で卵子を成熟させる技術(IVM)も注目されています。
OHSSはできれば避けたい合併症ではありますが、適切な予防と管理で、そのリスクを減らすことができます。最新の研究成果を活用し、個人に合った治療計画を立てることで、より安全で効果的に排卵誘発や採卵を行うことが可能です。不安なことがあれば、遠慮なく担当の医師に相談するようにしましょう。
参考文献