卵子凍結アップデート 卵子凍結アップデーツ

その他

多嚢胞性卵巣症候群でも妊娠できる?

多嚢胞性卵巣症候群でも妊娠できる?

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、女性の約5〜10%に起こるとされ、一般的な不妊の原因となる疾患です。(*1)

明確な原因は分かっていませんが、肥満やホルモンの異常により起こるとされています。

肥満の女性

通常、1つの卵胞が成長し排卵しますが、多嚢胞性卵巣症候群の場合は複数の卵胞が育ち、成長途中の小さな卵胞が排卵せずに、卵巣内にとどまります。

生理が38日以上こないなどの月経異常や、経膣エコー検査で卵巣内に小さな卵胞があること、血中のホルモン値に異常があることなどで診断されます。

月経異常の女性

多嚢胞性卵巣症候群と妊娠の関係

多嚢胞性卵巣症候群は、妊娠成立に必要な「排卵」に障害が起こるため、妊娠のためには適切な治療が必要とされています。

男性医師

治療

妊娠を希望している場合と、していない場合で治療方法は異なります。

いずれにしても、肥満が原因で発症している場合は、食事制限や運動を行い適正体重に戻すことで、ホルモンバランスが改善される可能性があります。

ダイエットに成功した女性

妊娠を希望している場合は、卵胞の成長を促進させるホルモン剤や排卵誘発剤を投与し、正常な排卵を促します。

妊娠を希望していない場合は、低用量ピルなどを用いて定期的に生理(消退出血)を起こします。

薬を飲む女性

30歳以下の若年性子宮体がんの60%に多嚢胞性卵巣症候群が認められたとの報告もあり(*2)、少なくとも3ヶ月に1回は消退出血を起こす必要があると言われています。

妊娠後の注意点

多嚢胞性卵巣症候群では、妊娠糖尿病や高血圧のリスクが高くなるとされており、妊娠後も定期的な診察が必要です。健康的な食事と運動を続け、体重管理をしっかり行うことでリスクを軽減できます。

体重計に乗る妊婦

まとめ

ここでは、多嚢胞性卵巣症候群の症状と、妊娠との関係についてお伝えしました。

排卵に障害が起こるため、不妊の原因と言われる疾患ですが、適切な治療を行うことで妊娠することも可能です。

多嚢胞性卵巣症候群は子宮体がんのリスクを高めるとされているため、今すぐの妊娠を望んでいない場合でも放置してはいけません。

月経異常は多嚢胞性卵巣症候群の自覚できる症状の一つとされているので、月経に異常を感じたら早めに検査を受けるようにしましょう。

参考文献

*1…公益社団法人 日本産婦人科医会 女性の健康Q&A:成熟期:多のう胞性卵巣と言われました。どのような病気ですか(https://www.jaog.or.jp/qa/mature/jyosei191211/

*2…子宮内膜癌(0期)を発症した高度肥満多嚢胞卵巣症候群の1例 滋賀医科大学産科学婦人科学教室 山出一郎、高倉賢二、秋山稔、野田洋一 産婦の進歩第50巻2号(1998)

News

more News...

Events

Library