卵子凍結をした後、妊娠までのステップでどのようなことが行われるのでしょうか。
ここでは、受精卵から妊娠に至るまでの過程をご紹介します。
胚盤胞とは受精卵が着床可能な状態に変化したもののことを指します。
細胞分裂を重ね、①受精卵→②分割卵→③桑実胚→④胚盤胞という段階をたどります。
凍結卵子を用いて妊娠を目指す場合はシャーレ上で①〜④の培養を行い、受精卵から胚盤胞になるまでに大体4日〜6日かかるとされています。
このとき、全ての受精卵が胚盤胞まで到達するわけではなく、細胞分裂の過程を問題なく通過できるかは卵子や精子の質に影響されると言われています。
胚盤胞まで細胞分裂が進んだら、次は子宮に移植するステップです。
凍結卵子を用いて胚盤胞移植を行った場合、胚盤胞が着床する確率は17%〜41%とされています。(*)
着床が完了すると、妊娠が成立したと見なされます。
凍結卵子を用いた場合の着床率は上記の通りですが、その後の出生率は凍結卵子1個あたり4.5%〜12.0%とされています。(*)
妊娠が成立すれば確実に出産できるわけではありません。
染色体異常などによる流産が起こってしまう可能性はゼロではなく、これは自然妊娠の場合でも同じことが言えます。
ここでは、受精卵から妊娠に至るまでの過程をお伝えしました。
妊娠が成立するまでには様々な過程があることが分かりました。そして妊娠から出産までの成功率はさらに低下するという事実からも分かるように、何事もなく出産まで進めることは奇跡とも言えます。
参考文献
*Liang T. and Motan T. Advances in Experimental Medicine and Biology. 2016,
Practice Committees of ASRM. Mature oocyte cryopreservation: a guideline. Fertil Steril. 2013