妊娠希望のタイミングになったとき、凍結した卵子でどのように妊娠までのステップを踏んでいくかご存知ですか?
ここでは、凍結卵子を受精させるまでの過程をご紹介します。
採卵した卵子は-196度の液体窒素下で凍結保管されているため、まずは融解処理が行われます。
融解は急速融解法という方法で行われ、-196度の液体窒素内から融解用に調整された培養液で超急速に37度へ温めて融解します。その後、凍結時に使用した凍結保護剤を取り除き、卵子を凍結前の状態に戻します。
現在主流となっているガラス化保存法で凍結保管された卵子を融解したとき、融解後の卵子の生存率はおよそ86.0%〜96.8%とされています。(*)
融解した卵子は体外受精の中でも「顕微授精」という方法で精子と受精させます。
これは、融解後の卵子は、透明帯とよばれる硬い殻に覆われているため、直接精子を注入する顕微授精でないと受精させることが難しいためです。
このときの受精の成功率は71%〜79%とされています。(*)
ここでは、凍結した卵子を融解し、受精させるまでの過程をお伝えしました。
採卵した卵子で妊娠に至るまでには、この先にもいくつか過程があります。次は、受精卵から妊娠に至るまでの過程についてご紹介します。
*Liang T. and Motan T. Advances in Experimental Medicine and Biology. 2016,
Practice Committees of ASRM. Mature oocyte cryopreservation: a guideline. Fertil Steril. 2013