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リアル体験談「彼女の場合」

東京都の助成金が背中を押してくれました

東京都の助成金が背中を押してくれました

卵子凍結経験者へのインタビュー企画第3弾の今回は、「今は妊娠よりもキャリアを優先させたい」と考える31歳の方に、卵子凍結を実施する決断に至った理由や、実際にやってみて感じたことなどをお聞きしました。

チェックマークを持った女性

東京都の助成金が決断の後押しに

ーー卵子凍結を知ったきっかけや、それを知ったときにどう思いましたか?

フィギュアスケートの小松原美里さんが卵子凍結をしたという特集をテレビで見たことがきっかけで知り、興味を持って自分でも少し調べてみたのですが、想像以上に費用が高くて自分には手が届かないなと思っていました。

それからしばらくして、ニュースで東京都が卵子凍結に助成金を出すということを見て、それならやってみよう!という気持ちになったんです。

お金の計算をする女性

ーー助成金があったことで決断できたのですね。

そうですね。費用面が気がかりで迷っていたので、助成金が後押しになりました。

私の場合は、54万円かかるところ、助成金を活用して実際には34万円でできましたし、保管に関しても毎年4.5万円ほどかかるはずだったので、2万円の助成金が5年間出るのはとても助かります。

ただ、助成金は申請後、決定通知が送られてはじめて受給することができるのですが、申請から決定通知が届くまでに4ヶ月ほどかかったので、今思うと受給できるまでの期間をもっと調べておけばよかったですね。

クリニック選びは費用を第一優先に

電卓を持った女性

ーークリニック選びで何を大切にしていましたか?

金額が明確なところを探していました。

クリニックを調べているときに、結局いくらかかるのか分かりづらいところが多いなという印象があったんです。

例えば「卵子凍結20万円〜」と書いてあっても、採卵できた数によって金額に大きな幅があったり。安いのかな?と思っても、実際には高いところが結構ありましたね。

なので私は、卵子がある程度たくさん採れた場合でも、金額がそんなに膨らまないところがいいなと思って探していました。

ーー費用感を大切にしていたのは、卵子がたくさん採れた場合を考えていたからなのですね

そうなんです。私は以前、AMH検査をしたことがあるのですが、平均的な数値より高い結果だったので、なんとなく採卵したらたくさん採れるんだろうなと思っていました。

実際に、1回の採卵で21個採れて、凍結できる状態の卵子は19個、結果凍結した卵子は15個でした。

ーー19個すべて凍結しなかったのは何か理由があるのですか?

私が卵子凍結を行ったクリニックでは15個までの凍結保管は同じ料金で、それ以上になると、さらに15個分の費用が発生するところだったので、15個にしました。

費用だけじゃなくて、痛みとか刺激法についてもっと考えていたらよかったかも

お腹が痛い女性

ーー実際に卵子凍結を行ってみて、ギャップを感じたことはありましたか?

・採卵前

卵子を増やすのと卵子が出ないようにするお薬の働きで、お腹が張ることがあるとは聞いていたのですが、採卵の直前は思った以上にお腹がパンパンになって苦しかったです。

・採卵後

私は採卵を全身麻酔で行ったのですが、麻酔から覚めて採尿をする際にけっこう痛みがありました。最初は自分の尿が血だらけでびっくりしちゃいましたね。

しばらく休んだら普段通りになったので安心しましたが、そこは自分の想像とは違ったなと思いました。

ーーお腹の張りや痛みがひどくあったのですね

はい。私はどちらかというと痛みには強いほうなのですが、やはりお腹の苦しさとか採卵後の痛みとか、普段あまり感じることのない感覚で大変でした。

あとで知ったのですが、排卵誘発の刺激方法にも種類があると友人から聞いて、私の場合はもう少し刺激が弱い誘発法でもよかったのかもしれないなと思いました。

クリニック選びをする際は費用を重視して探していたので、痛みや刺激法に関しては気にしていなかったんですよね。

可能性の一つとして、やってよかった

子育てをしながら仕事をする女性

ーー卵子凍結の実施前から今の段階で、何かお気持ちの変化があったりしましたか?

将来の可能性の一つとして、やってよかったなという気持ちが大きいです。あと、卵子凍結をする前には様々な検査を行うので、自分自身の身体の状態について知れてよかったとも思います。

ーー今迷っている人がいたら、どんな言葉をかけますか?

「将来のキャリアを広げるために、まずはやってみてもいいんじゃない?」と伝えたいです。

私の場合、今は子どもはいらないという前提で行ったのですが、10年後は気持ちが変わるかもしれないと思って、そのための備えとして卵子凍結を選択したので。

私は32歳(卵子凍結実施時は31歳)ですが、卵子の数には限りがあるので、例えば40歳を超えて子どもが産みづらくなったときに「やっとけばよかったな」と後悔したくありませんでした。

実際に卵子凍結をしたことで仕事にも集中できるようになったので、本当にやってよかったと思っています。

取材後記

実際に卵子凍結をした方の貴重な声を取材させていただきました。

「今は子どもはいらないけれど、10年後の自分の気持ちは分からない」という言葉がとても印象的でした。

卵子は年齢とともに数が減り、質が低下することで妊娠できる可能性が低くなっていきます。今回のお話の中に出てきたAMH検査は、自分に今どれくらいの卵子が残っているのかの目安を血液検査のみで手軽に調べることができるので、おすすめです。

できるだけ若いときに卵子凍結をしたほうが、理想の数や質の卵子が採れやすいとされているので、「卵子凍結」という選択肢があるときに、将来への保険としての卵子凍結を選んでみるのもいいかもしれませんね。

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